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『192_リミッツ・オブ・コントロール』 [>2010年]



奇才ジム・ジャームッシュ監督の最新作『リミッツ・オブ・コントロール』。

1999年、新渡戸稲造さんの「武士道」や三島由紀夫さんの「葉隠入門」などを読んで、
武士道精神に完全にハマっていた学生時代・・・


武士道 (岩波文庫)

武士道 (岩波文庫)

  • 作者: 新渡戸 稲造
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1984/10
  • メディア: 文庫




葉隠入門 (新潮文庫)

葉隠入門 (新潮文庫)

  • 作者: 三島 由紀夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1983/04
  • メディア: 文庫



まるで狙い撃ちされたかのような絶妙なタイミングで公開されたのが、
同じくジム・ジャームッシュ監督の映画『ゴースト・ドッグ』でした。


ゴースト・ドッグ [DVD]

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  • 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
  • メディア: DVD



『ゴースト・ドッグ』・・・・
武士道精神を伝える書「葉隠」をバイブルとし、
哲学を持って生きる一人の殺し屋のストーリー・・・

今回の『リミッツ・オブ・コントロール』の殺し屋からも、
『ゴースト・ドッグ』の殺し屋に似た雰囲気を感じました。

あっ、そうそう・・・
えーっと、まず最初にお断りしておきますが・・・

この映画、エンターテインメント映画ではありませんので、ご注意を!???

「自分こそ偉大だと思う男を墓場に送れ。」

という殺しの依頼を受けるところから始まるんですが、
その時に、依頼人からこんな言葉をかけられます。

「想像力とスキルを使え。主観で構わない。」

私はこの映画を観終わってから、
上記のセリフは、主人公の殺し屋に対してだけではなく、
観客である我々に対しても、投げかけられているような印象を受けました。

この映画を観るには、想像力とスキルを使って下さい。
あなたの主観で構いません・・・とでも言われているような・・・。

なぜなら、この映画、あらゆるシーンが省略されていて、
しかも、最も気になるシーンが全く描かれていないからです。

悠々とソファに座った主人公が次のようなセリフを言います。

「想像力を使った。」

ハリウッドのエンターテインメント映画は、
誰が観ても楽しめるように、分かりやすく、
時には分かりやすすぎるぐらいの感じで作られています。

これは、今まで制作されてきたハリウッドリメイク映画と
リメイク前のオリジナル版を見比べてみると一目瞭然だと思います。

『リミッツ・オブ・コントロール』は、説明が一切ない映画です。

優しく(?)ないです!???

正直、私もよく分かりませんでした・・・
ただ、映画の雰囲気は良かったなぁ〜っていうぐらいで・・・

また、「人生に意味なんてない。」というセリフが所々に出てきます。

「人生に意味なんてない。」と表現することによって、
人生に意味を与える、この映画の意味を見出すのは、観客であるあなた自身であるということをジム・ジャームッシュ監督が逆説的に描いたのではないか?

なぁ〜んて、しばし考え込んでしまいました・・・。

それは、エンドロール後の、『リミッツ・オブ・コントロール』とは別のタイトルが表示されることからも感じました・・・。(ぜひエンドロールは最後まで!)

ジム・ジャームッシュ監督ならではの個性的な映画で、凄いなぁ〜と思います。




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コメント 3

u_yasu

今造ROWINGTEAM様、nice!どうもありがとうございます!!
by u_yasu (2010-12-11 23:31) 

u_yasu

つなみ様、nice!どうもありがとうございます!!
by u_yasu (2010-12-14 00:21) 

u_yasu

だみかん様、nice!どうもありがとうございます!!
by u_yasu (2010-12-17 01:17) 

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